第23章 キミ色
2人で脱衣所まで行くと、光太郎はどんどん服をカゴに投げ捨てながら脱いでいく。
それに比べて私は、服を脱ごうとしても怖くて、トレーナーを掴む手が震える。
朝は1人で着替えられたのにな。
…そんな私に気づいた光太郎は、私に向かって言ってきた。
「バンザーイ!…ほら、オレが脱がすから」
「あ、…ありがとう…。」
言葉を返すと同時に、両手を上げると、光太郎はトレーナーの下を持ち、上に持ち上げてくれる。そのおかげでトレーナーを脱ぐ事がてきた。
その調子でどんどん身体は身につけられていくものが無くなり、私の衣服は全てカゴの中に入っていた。
「ありがとう…助かった」
「別に?俺、脱がすの慣れてるし」
…ぬ、脱がすの慣れてる…?
それ、慣れていいやつ?
なんて、頭の中で疑問を持ちながら、お風呂場に2人で入った。
「それにしても、これは酷いな…。すっげー痛そう。つか、痛いよな」
そっか、光太郎は私の身体を見るのは初めてか。
…よくよく思うと、クロはそんな私の身体を良く毎日見れてたな…。
「今は、痛くない。」
「そっか」
光太郎のその声が耳に入ると、私の頭にはシャワーの暖かいお湯が降ってきた。
ん?、ん?…ん?
降 っ て き た ?
「光太郎、自分で洗えるから!」
「たまには洗わせろー!」
…バカだ…。本当に、バカだ。