第22章 信頼
私は知らない男に人間以下の扱いをされている。
きっと彼らは誰でもいいのだろう、こういう行為が出来れば。
そんな時、誰かがスマホを手に取った。
写真を取られるのだろうか?
でも、ここで抵抗したらダメだ。
クロに迷惑をかけてしまう。
そもそも抵抗しようとしても、足は抑えられているし、腕も拘束されている。その上、口まで犯されてしまっているのだ。
だけど頭の中はものすごく冷静で。これは本当に私なの?って思ってしまうぐらいに。
どこかで逃げたい、怖い、そう思っている私の横にはもう1人の私がクロのためだから逃げちゃダメだよ、怖くないよって語りかけてくれている見たい。
そんな時、スマホを持っていた男は誰かとビデオ通話をしているのだろう、自分の顔を見せて通話相手に話している。
「アナタのカノジョ、カレシでもない奴らに犯されて喜んでるみたいですよ?」
カレシ?…もしかして、…クロ…?
「お前の口に、だす、からな、飲めよ」
そういい汚いスペルマを私の口内に吐き出された。
私は怒らせないように飲もうとはするけど、逆に吐いてしまう。
せっかく食べたお昼ご飯の焼きそばパンも、クロが私にくれたこんにゃくゼリーも、全部。
空っぽなはずなのに吐き気は止まらず。
そんな私の頬を男はずっと叩いてくる。
そんな時、電話から聞こえてきた私の大好きな声。
「綾菜、大丈夫か!?」
そんな愛しい人の声は怖い男達の「気持ちいいって言え」と言う言葉に負けてしまって。
「きもちい、よ…ごめんね」
泣きながらそう答えることしか出来なかった。
でも、これはクロを守るためだから。裏切ってしまってごめんなさい。
そんな言葉を最後に付けて、クロに伝えた。
「まー、てことでカレシさん、こいつはほかの男に襲われてアンアン叫んで、穴の中濡らすような変態なんですよ。残念でしたね、んじゃ、さよーならー」
ナカが濡れるのは防衛本能よ…。あなた達が酷いことするから…と言う言葉を考えた時、私に奇跡が起きた。