第21章 思いを込めて。
「あ、…えっと…、お…、お誕生日おめでとう」
「ありがとう。つか、なにをそんなに緊張してるわけ?(笑)さっき木兎とは普通に言ってくれたじゃん」
本当に面白いヤツだな。
まぁ、いつまでも照れてくれるところが可愛かったりするんだけどね
「あ、これプレゼント。…クロの好みじゃないかもしれないけど、一生懸命選んだよ…。嫌だったらごめんね」
いつもだったら、もっと自信がなく『嫌だったら捨てて』とか言うところを、今回はごめんね、と謝るだけ。その上、一生懸命選んだよって…俺のことちゃんと信じられるようになってきた証拠?
「…なんも言えないぐらい嬉しい?それとも逆?」
なにその困った顔、可愛すぎなんですケド…。
「ちょー嬉しい。俺のために選んでくれるとかもう可愛すぎだし。あとでじっくり見るな」
「ふふ、クロに喜んでもらえて何よりだよ」
綾菜は最初に小さく笑うと、その後はずっと笑顔だった。
ここが外じゃなければ、抱きしめてキスしたい。
頭撫でるぐらいは、いいよな?
俺はそう思うと、咄嗟に綾菜の頭をわしゃわしゃと撫でた。