第21章 思いを込めて。
お父さんは既に仕事に行ってるし、お母さんは用事があると家を出た。
だから、リビングに行っても意味が無い……気づくのが遅かった…。
私が後ろ向きで歩いていると、光太郎は突然私に飛びついてきて、私の腰に左手を回し、右手で私の両手首を掴むと床に組み敷かれる。
「誕生日プレゼントは、わ た し♡」
光太郎は私の耳元で囁くと、ワイシャツのボタンを一つづつ開けていく。
「や…、やめて!ばかー!へんたい!」
「むりー、やめれない♡」
いつもはやめてって言ったらやめてくれるのに…。あ!もう、学校行く時間だし!
私がじたばたと抵抗していると、光太郎は空いている左手で私の髪を優しく撫でてくれる。
「なに?」
「綾菜ってさ、お兄ちゃんにも耳いじられたら感じちゃうの?」
そう言い、私の耳に唇を近づけると、次に起きた展開は私は考えもしていなかった。