第21章 思いを込めて。
文化祭は無事に終わり、ついに10月は終了した。
今月はもう11月だ。…11月と言うことはクロの誕生日。で、今日は11月17日でクロの誕生日の日だった。
誕生日プレゼントは既に購入済み。
…だけど、渡し方が分からなくて。
しかもクロの誕生日は木曜日。普通に学校があるし、遅くまで部活もある。
私は考え事をしながらワイシャツのボタンを一つづつ止めていると、突然ドアが開いて光太郎が言った。
「あ、黒尾今日ハッピーバースデーだな」
「そうだね」
「なに?元気ないじゃん。…あ、もしかして誕プレ買ってない?」
「買ったよ、だけど渡し方が分からないの」
私が素直にそう言うと、光太郎は何かを閃いたのか、左掌に右手を拳にしてポンと叩いた。
すると、私にゆっくりと歩んでくる。
「な、…なに?」
私の言葉に返事はなし。
だけど、変わりに光太郎はどんどん近づいてきて。
私は怖くなり部屋から飛び出すとリビングに向かおうと玄関の方へ向かう。