第17章 きす
綾菜と俺は、財布とスマホをもって家を出た。
夏だと言っても、夏の夜はひんやりとするもので。
パーカーでも着てくればな…なんて、思ったり。
「家族みんな仲良いのな。」
「…騒がしいだけ…」
「まぁまぁそんな事言わずにさ…(笑)」
なんて他愛のない会話をしながら歩く。
でも、会話は突然終わるわけで…。
そんな時、ぽつり…綾菜が言葉をこぼした。
「身長、低ければなぁ…」
と。
独り言のように呟いた言葉だか、俺はその言葉をキャッチして、会話の種にする。
「なんで?」
「だって、身長低い子のほうが可愛げがあるし…タダでさえ、可愛らしくないのに…」
「は?だれが可愛くないだって?」