第17章 きす
俺はとりあえずパンツを履き、蒸しタオルで綾菜の体を撫でるように拭く。
「ん…」
すると、小さな声を出し、俺の方に寝返りをした。
てか、綾菜って寝てる姿も可愛いのな。
オレは少しニヤけながら体を拭いていると、突然綾菜がぽつりと言う。
「いたい…」
と。
俺の拭き方が痛いって感じでもねぇし、夢の中でなにかされてる?
オレは綾菜のつらそうな寝顔を見て思わず、寝言に返事をしてしまった。
「怖いよな?でも大丈夫、俺がいるよ。」
…ホントは良くないって知ってるけど…
だけど、こんな苦しそうな顔で…
寝てる時まで苦しいなんて、可哀想じゃん。
そんなことを考えていると、綾菜はゆっくりと目を開けた。