第8章 決意
「け、携帯電話?!」
「成る程?この状況なら一番頼りになる武器って訳ね」
『それで警察に電話するの?』
「ああ。直接俺の口から警察に…」
「そんな事させるかよ」
そこまで話したとき突然に中に光が入り、バッと扉に体ごと向くと歪に笑う配達員2人と目が合った。
「取るときは荷物の位置が微妙に変わってたのに、さっきは元に戻ってたから一応覗いてみたら…こんな泥棒猫が6人も忍び込んでいたとはな」
残り4つはそのままにしておけばよかったのかと思ったがやってしまったものは仕方がない。
コナンが皆を庇うように前へ出るのと同時に葵は灰原と光彦の前へ立ち、気づかれないように靴を脱ぐと手に持つ。一番狙われやすいのは動けないこの二人なのだ。絶対に守る。
覚悟を決めぐっと掴む手に力を込めると、ふいに外からクラクションが鳴らされ配達員がそちらへ顔を向けた。
その隙に光彦と灰原を離して動けるようにしていると聞き慣れた、一番安心する声が聞こえた気がして二人に断り扉へ近づいていく。見えたその人に扉へ駆け寄った。
『っ透くん!』
蒼が一層鋭くなった。
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