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【名探偵コナン】幼女になりました。

第8章 決意


大分冬が近づいてきた。頬を撫でる冷たさに阿笠邸へ進む足を速める。
道すがらはらはらと散る葉に物寂しさを感じつつあの日を思い返していた。







あのテニス事件から暫く経ったある日、葵は安室に連れられて病院を訪れた。
粗方の説明を済ませていたのか、あれよあれよという間に採血され"結果は後日"と言われたのが三日前。
採血だけでは何の検査なのか絞ることも出来ず悶々と過ごす事になったが、医師が告げた結果で漸く成る程と納得することとなった。

語られた内容は、免疫力の低下に加え能動汗腺の発達も乏しく改善対策が必要という事だった。
しかし同席出来たのは其処までで、葵は看護師に連れられ別室での待機を余儀なくされた。
戻ってきた安室の手には薬袋が握られていて中身が漢方だと判ったのは夕食後。

神妙な面持ちで医師の言葉を噛み砕いて説明した後、漢方を溶かしたカルピスを飲み終えたのを確認した安室は漸く頬を緩めた。

熱中症や風邪、感染症に罹りやすいと判った翌日から免疫力向上作戦が実行された。
料理により一層力を入れ、室内での運動を始め約束事も増えた。
室内での厚着は禁止。屋外での薄着は禁止。冷たいものはなるべく摂らない。まだあるが取り敢えず外出先での約束として強調されたのはこの三つ。
余計な手間を増やした事への申し訳なさを多分に感じる一方、愛情故の注意だと思うとどうしても嬉しくて。今の処忠実に守っている。免疫力も上がってる筈だ…多分。

余談だがコナン経由で伝わってしまった沖矢からのメールに先程上げた三つが注意点として書かれていて、この二人意外と似ているのではと苦く笑った。






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