第7章 伊豆へ!
パタパタと団扇を扇ぐ蘭や園子の介抱により幾分軽くなった体をゆっくりと起こすとクラリと目が回った。
それを噯にも出さずニコリと笑う。
「大丈夫?」
「まだ横になってなさいよ」
『もう大丈夫、ありがとう!』
園子の言葉に首を横に振る。やらなければならないことがあるのだ。
先程よりは良くなった顔色でソファの下に座っている二人と目を合わせた。
『透くんの所に行ってもいい?』
「ダメに決まってんでしょ!」
「安室さんは捜査で忙しいから我慢しよ?それより葵ちゃんアイス食べる?」
腰に手を当てて眉を吊り上げる園子に団扇を渡して立ち上がる蘭に抱き付いた。
首を傾げた二人は訝しげに葵を見るが諦めるわけにはいかない。
完全な現場を知るのは自分だけなのだから…。
なんとか伝えに行かなければ…その一心で腕の力を強める。
必死な葵の様子に何かを感じ取ったのか蘭が口を開こうとしたとき、コナンと安室が刑事らしき人物を連れて現れた。
蘭と葵の様子に首を傾げた三人を見て手を離すと、横溝と名乗った男から離れたコナンは葵の側に立った。
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