第7章 伊豆へ!
「葵ちゃん!」
「安室さん!これを…」
渡されたのはペットボトル。透き通るそれは水だろうか…。落としていた視線を戻すと蘭が慌てたように続けた。
「あ、あのコナン君が多分熱中症だからそれを飲ませてって」
「氷も持ってきたわよ!」
「ありがとうございます」
脇にタオルで包まれた氷を挟む。二人にタオルと葵の服を取りに行かせ、ペットボトルの蓋を開けて中身を口に含んだ。
決して飲みやすいとはいえないそれは簡易的な経口補水液。自分が離れた後で作ったのだろうか。
その洞察力と的確な判断力…やはりあの子は何かある。
膨らむ探究心に目を細めるが、それよりも今はこの子だ。
「葵ちゃん。このお水美味しくないけど飲めるかな」
緩慢な動きで首を縦に振り少しずつ飲むのを見守っていると蘭と園子が戻り、小さくサイレンが聞こえてきた。
後の事は二人に任せ部屋を後にする。
今は事件の謎解きに専念するとしよう。江戸川コナンという少年についても何かわかるかもしれない。
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