第6章 日常…?
カーテンから漏れる光にふわぁと欠伸をこぼしながら体を起こす。時計の針は7時30分を指していた。
今日は家でゆっくり過ごしたいので、のそのそとベッドから下りて顔を洗いに洗面所へ向かう。
欠伸を噛み殺し、安室が作り置いてくれていた料理に手をつける。
ふと視線をスマホに移し、昨夜の出来事を思い出した。
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─昨日。20時50分。
大人だった頃からは考えられない程早い時間に風呂を済ませて、後は寝るだけになったとき"プププ"と着信を告げる音が鳴った。
灰原からの電話は夕方に終えているのに。
首を傾げながら画面を見る。そこに表示された名前に慌ててスワイプした。
『透くん!』
「ふふ、こんばんは」
『どうしたの?風邪大丈夫?』
「大丈夫。大分良くなったから、来週には帰れるよ」
『ほんと?よかった』
「それよりも葵ちゃん、ご飯は食べた?」
体調は崩してないか、寂しくないかと続けられるデジャブがあり過ぎる会話に、相槌を打ちながら口が緩むのを感じつつも彼の目的を聞こうとする。
が、その前に紡がれた言葉になるほどと一人頷いた。
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