第6章 日常…?
『絢瀬葵、5歳です!今は透くんと一緒に暮らしています!』
「その彼と暮らして大変なことや辛いこと、嫌なことはありませんか?」
『…ないよ?どうして?』
「これでも君を心配しているんですよ。突然知らない人と暮らすのは大変でしょう。彼と何かあったらいつでも連絡してくださいね」
そう言って渡されたのは11桁の番号が書かれた紙、奇しくも沖矢昴…基、赤井秀一の連絡先をゲットしてしまった。
そして、ようやく彼の真意を理解した。
ミステリートレインでの一件はコナンから全て伝えられている…そしてFBIにも伝わっているとみていいだろう。
組織のバーボン、ベルモットと面識があり、且つ瞬間記憶能力を持つ葵はいつ利用されてもおかしくない。
ポロっと彼に生活の不満や不安を漏らせば、言葉巧みに誘導して証人保護プログラムを適用するつもりなのだろう。
日本にはないアメリカの守り方というわけだ。しかしその為には葵が安室から離れると意思表示をしなければならない。
あの質問の目的はこれだ。
だけど、この話しに乗ることはない。もうすでに日本の為に戦う、最も信頼する組織…ゼロに守られているのだから。
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