第4章 新たなる
昨日と同じ音を出すドアを開ければ、コナンと女性店員、年配男性と少年少女が。
「あー!コナンくん、この子でしょう!」
「きっとそうですよ!歩美ちゃん!」
「おせーぞ!」
「あなたたち落ち着いて!彼女がびっくりしちゃうでしょう?」
「もう遅いようじゃがのぅ」
葵の姿を目に止めてキャイキャイはしゃぐ彼らは、この世界に生まれてから初めて見る純粋な子供で、自分がちゃんと一般的な5歳児をやれてるのか不安になる。
「おめーら自己紹介してやれよ!」
「わたし!吉田歩美!」
「ボクは円谷光彦と言います!」
「小嶋元太、好きなものはうな重だ!」
「灰原哀よ。よろしく」
「阿笠博士じゃ。博士と書いて博士と読むんじゃよ」
『絢瀬葵です。よろしくね!』
あ、ダメかもしれない。少し大人…に設定してしまったかも?
「今日からお前も探偵団の一員にしてやるよ!」
「わたしたち今までにいくつも事件を解いてるのよ!」
『そうなの?すごいね!』
「葵ちゃんは今日から非常勤の団員です!」
「あら、いいじゃない。魅力的ね」
「ハハハ…」
『楽しそう!いいの!?』
自分の中の5歳が迷子になったが、まぁ大人っぽくてもいいかと連れ戻した。
それより、なんで非常勤なんて言葉知ってるんだ、光彦くん…。
彼らを下の名前で呼ぶことにして(許可はもらってある)、女性店員の梓とも自己紹介をする。事前に聞いていたのか、葵のことは特に何も聞かれなかった。ありがたい…。
探偵団は明日群馬にキャンプに行くらしく誘ってくれたので、夜帰ってきた彼に出掛ける旨を伝え、今日できたばかりの部屋のベッドに寝転がる。
シーツの冷たさに少し寂しさを感じながら眠りに落ちた。
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