第4章 新たなる
結局葵の懸命な説得によりカゴは2つ減ったが、これ以上は減らさないと目が語るのでもう諦めよう。頑張った自分…。
その後も安室は可愛かったり、大人ぽっかったりとあらゆる系統の服を持ってきては葵を悩ますのだ…罪な男である。
「葵ちゃん、どれがいい?」
『…わたし、目悪くないよ?』
「あはは。これはおしゃれだから大丈夫だよ」
目の前にあるのはいくつかの伊達メガネ。
これは変装しろということだろうか?組織対策?いや、安室と暮してる時点で意味ないしな。
考えてもわからん!と差し出されるがままに赤いウェリントン型を手に取ると、彼は白いスクウェア型もカゴに入れてレジへ。
長い戦いに幕が下ろされた…。
帰宅し、安室特製の絶品カルボナーラに興奮しつつ昼食を済ませると、タイミングよく荷物が届き、がらんどうな部屋に家具を設置する。
瞬く間に白と青を基調とした部屋が出来上がり、イェイとハイタッチを交わした。
「はぁー。そろそろいい時間だしポアロに行こうか」
「ほんとだ!透くんもこの後お仕事だもんね、行こー!」
満足な出来の部屋から出て、靴を履いた。送っていくという彼に甘えて助手席に乗り、シートベルトを着ける。
運転席に座る彼の雰囲気は普段より僅かに鋭い。これから黒の仕事なのだろう。
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