第4章 新たなる
「今日は葵ちゃんの部屋の家具と服を買いに行こうね」
朝食中そうだ、と切り出した安室にリスのように膨らんだ口から『ぅほ?』とゴリラが零れた。
ツボに入ったのか腹を抱える安室を恥ずかしさからキッと睨むと、ごめん、すごい、見事だったから…と、詰まりながらゴリラの完成度を褒められ、頭を撫でられたがいまいち納得がいかない。
暫くして落ち着いた彼の話では寝室の隣、現在の書斎を子供部屋として使うらしく、葵が寝ているうちに必要なもの以外は捨てたと言ってるが、おそらく他のセーフハウスに移動させたのだと思う。
「あぁそれから、コナンくんが夕方ポアロに来て欲しいって言ってたよ」
『コナンくんが?』
「葵ちゃんに紹介したい人がいるんだって」
『わかった!』
「葵ちゃん、これも可愛いね。どうかな?」
『と、透くん待って!もうカゴ4個もあるよ!?』
「沢山あっても困らないだろう?」
子供はすぐに大きくなるからね。と楽しそうに笑う安室にそうじゃなくて、と内心頭を抱える。
あの後、安室の運転でデパートへ着いた二人は、先に家具を選び、日用品を買った。
洋服は時間がかかるから最後にしよう。と言う安室に、確かにと賛同したのだが…。まさかその意味が買う量が多いからだとは思わなかった。
厳選に厳選を重ねて選ぶなんてことはせず、ぱっと見て良いと思ったものはカゴに入れてしまうのだ…。
ここはなんとかしてカゴを減らす他ない、と頭の中で構想を練る。
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