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Fortuna【ラッキードッグ1】

第5章 ×3章の後半ボツ話×


出入り口近くから順に……大柄で体格のいい赤毛のライオンヘアー、イヴァン、ベルナルド、感情の読みづらいダークヴァイオレットの瞳をもつ美形。
一番奥に、この状況に焦りを隠せないジャンが居た。

赤毛のゴージャスな色男は、前に何度かすれ違ったことがある。
この人もCR:5幹部の一人で名前は完全に忘れた。でも顔は覚えてる。
あと残り一人……誰かな?この美人さん。聞いてない。

あー、アー、でも幹部の一人ですよねきっと。
そういえば公式HPで見た気もするよ、ジャン大好きっこだっけ。
そして……危ない性質をもっていたような…。

それはともかく、筆頭幹部を除いた四人全員が揃ってるとか本当に嫌な予感しかしない。
もしかして脱獄の話が出たんじゃないだろうか、成功したらジャンを二代目ボスに…とかなんとか。

わかっていたけど、できれば回避したかった!

そんなことを思いながらジャンの傍へ行こうと進んだら、大きな手がわたしの肩をガッと掴んでその場に押し止めた。
力強さに骨が軋んだのがわかる、痛みが走りわずかに顔を歪めた。

こんの…馬鹿力!
ああ思い出した、赤毛の人。ルキーノだ。


「人払いは完璧だったんじゃないのか」

「その筈だったんだが……ジャン、知ってるみたいだな。こいつが誰なのか教えてくれないか」


このメガネ…疑問系じゃありませんよね、今の。
わたしのジャンに命令しないでくれるかな。
肩は痛いし動けないし睨まれるしジャンに触れないし、なんかイライラしてきた。


「ねぇ、ジャン。この人たちの幸運度マイナスにしちゃっていいかな?」


わたしにケンカ売ったらどうなるか思い知らせてやる。
女神なめるな激辛だぞ。


「待て待て!落ちつけって…」


わたしの苛ついた様子に気づいたのだろう、ジャンは自分の髪をワシャッとかき混ぜてから大きく息を吐いて。
ベルナルドを確認するように見て頷くと、いつものごとくのんびりした足取りでこちらへ近づいてくる。


「ルキーノ、とりあえずそいつ放してくれねーか?敵じゃないことだけは保証する」

「フン…それは味方でもないって言い方だな」

「少なくとも、俺に害のない内は敵じゃあない」

「犬が犬を飼ってるのか。そんな風に庇うほど凶暴な子犬には見えんが……何に誓って保証する?」

「掟(オメルタ)のもとに誓う」
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