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Fortuna【ラッキードッグ1】

第2章 女神の軌跡(2)Gian side


呆れるほどよく寝ているトゥーナの頬を軽く撫でると、誘うように唇が薄く開いて…堪らず唇にキスをした。
軽く重ねただけでは足りなくて、開けた唇ではさんで吸いつき舌で味わうようになめる。


「…は……クセんなりそ……」


ドーテー坊やじゃあるまいし、今さらこの程度の行為なんて…。
そう頭で思うのに反して俺の体は動くことをやめない。
甘味とはまったく別の甘さが広がり、脳みそが痺れる。

まるで重度のヤク中だ。
飽きるほど繰り返してようやく、唾液でしっとり濡れた唇から離れた。
本音を言えば飽きることなんてないし、むしろもっと欲しいくらいで。

アー…せめて舌、突っ込みて………や、ガマン……がまん…。

モゾモゾと体を動かし、トゥーナの体を抱きしめ直す。
その柔らかさとオンナの匂いにムラムラと沸き上がる欲望を、長年培ってきたトゥーナ耐性でもってなんとか無理やり抑え込み目を閉じた。

ヤろうと思えばヤれる…腕ン中には無防備な女がいるってのに、朝勃ちひとつ満足にシコれない。


「……なんて拷問かしらん」


酷い女神もいたもんだ。
俺はおいしそうなゴチソウを目の前に、お預けくらった犬よろしく見えない尻尾と耳を垂れ下げた。


ーー…それから半年後。
このマジソン刑務所に、CR:5の幹部たちがそろって送り込まれ。
フォルトゥーナの力をフル活用することになるとは、このときの俺は夢にも思っていなかった。


そしてスリル満点な運命の歯車は回りだすーー…。

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