第12章 新人
執務室を出てすぐの廊下で3人は一度、立ち止まる。
「どうぞ宜しくお願い致します、中原幹部」
「あー『幹部』は要らねえ。中原でいい」
「では中原さん」
「で、お前は何て名だ?」
「あ。申し遅れました。山吹蓮と申します」
「山吹な」
2人の挨拶を見終わってから紬は時計に目をやる。
「おっと!もうこんな時間だ」
お先ー。と手をヒラヒラさせながら去っていく紬。
「アイツが時間気にするとか槍でも降るんじゃねーか?」
「え?」
意味のわからない山吹は中也の方を見る。
「何でも無ェ、行くぞ」
「はい」
何時もと違う、
自分よりも少し背の低い女性を引き連れて中也も自分の執務室へと戻っていったのだった。