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【文スト】対黒・陰

第7章 現状



「却説。次は如何、動こうか」


エリスの傍に移動して森は扉の前に立っている紬に問う。

「その前に1つ」

「何かな?」

「抑も。何故、姐さんは探偵社と接触を?」

「嗚呼…紬君は知らなかったか」

ひと息着いて森は続ける。

「下級構成員に『泉鏡花』って女の子が居たでしょ?」

「さあ?」

本気で思い浮かばないのか、首を傾げる紬。


「……君の無関心には感心を覚えるよ」

「お褒めの言葉、有難うございます」


淡々と返す紬に森は少し考えて、ハッとした顔で説明を続ける。


「………!ほら、芥川君が使ってた子!」

紬が少し黙る。


「あー…『35人殺し』ですか?」

「そう、その子!」


漸く話が前に進む事に悦びの感情が乗った。

「そう云えば姐さんのお気に入りが出来たと…迎えに行ったんですね」

「1つ判ると凡てを理解してくれるから、結局は扶かるけどねぇ」

しみじみと。
頷きながら呟く首領の言葉など放って、紬は口元に手を当てながら何かを考え出す。



成る程……そう云うことか。




何かの結論に達し、


「無駄でしょうね」

「……。」


話を戻すべく、はぁ、と息を吐いて漸く声を発した。


実際、その言葉通りに紅葉は探偵社に拘束されている。
紬の行き着いた未来では、どんなことがあってもその実は覆らないのだろう。



「芥川君と梶井さんの手配を済ませてきます」

「宜しく頼むよ」



一礼して紬も退室していった。
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