第22章 想歌
中也が自室に戻ると部下2人も片付けが終わったようで戻っていった。
「あ、中也さん!」
「お疲れ様でした」
労いながら中也にお茶を入れ、差し出す。
自席に座ると同時に懐の端末が震えたようだ。
お茶に手をつける前に懐の端末を操作し始める。
送信されてきた電子文書を開いて、中也はニヤリとした。
『中也にしてはやるじゃない』
その文だけで、その送り主も3日後を楽しみにしていることを悟る。
『俺の方は特注しておく』
中也もまた一文だけ打って、返した。
端末を仕舞ったところで部下が話し掛けてくる。
「上機嫌ですね。良いことありました?」
「判るか?」
「「そりゃあ、もう」」
声を揃えて云った部下に笑顔だけ返すと中也も仕事を始めた。
「あ、そうだ。今夜の殲滅案件、俺が行くことになったんだが」
「「あ、御供します」」
「即答かよ」
書類を1つ手に持ったまま呟く。
「作戦と人員を見直すから、計画書が出来上がったら各人に伝令してくンねぇか?」
「「お任せ下さい」」
その返事を聞いて中也は本格的に手を動かし始めた。
夜ーーー
「B班は東裏口封鎖、C班は誘導完了次第A班に合流しろ」
『『『了解』』』
「行くぞ」
中也は計画書通りに部隊に的確な指示を出して殲滅開始を告げた。
暫くは激しい銃撃戦も繰り広げたが、
規模も相手も大したことない相手だったので抗争は直ぐに終息した。