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【文スト】対黒・陰

第21章 終焉


「此処に忍び込んだのも裏の情報を仕入れやすいからか」

「………はい……」

「そうだよねぇ。学生…一般人を使っていたんだもの。絶対に自分達には怪しい目を向けられないと踏んだんだもんね」

「………。」

敗因はこの考えの甘さにある。
表に居るから知らなくて当然ではあるけれど。


「山吹、最後に1つだけ教えておいてやる」


中也が声を掛ける。
せめてもの慈悲に「愉しかった」等と甘い言葉をくれるのではと淡い期待を寄せてしまった。


「『太宰の敵の不幸は、敵が太宰であること』ーーーポートマフィアに古くからある云い習わしだ」

「え。何それ。私、初耳なんだけど」

「大抵、手前等兄妹が絡むことは云い習わし…噂になってンだよ」

「へぇー大した事はしてない筈だけどなぁ」

「手前が云うのかよ、それ」

「んー?中也が云う?」

「……手前にとっちゃ何だって大したことねえだろな」

「うふふ。素直に褒めるなんて気持ち悪い」

「手前も一寸ばっかし褒めてやりゃ直ぐ悪態付きやがって」

はあーと態とらしくため息を着くと懐からナイフを取り出して紬に渡した。


「もういいの?どうやら昨日の夜の感想を待ってるようだけど、彼女」

「!?」

「あ?何だ、そうだったのかよ」

紬の言葉にカッと紅くなる山吹。

それが照れからなのか、怒りからなのか。
最早、山吹自身も判らないところだった。


「まあ、簡単に男に股開くだけあって巧かったんじゃねーの?」

「なっ……!?」

「中也は初な女の方が好みだもんねぇ。ていうか中也、多分望んでる感想じゃないよ」

「どちらかと云えばだろ、それ。まあ、手前を相手すんまで暫くヤってなかったから性欲処理としては良かったぜ」

「~~~~っ!」

「やれやれ。意地悪なチビッ子だ」

「あ"?誰のせいだと思ってンだよ」

「……さぁね」

紬はナイフを掲げて山吹の腹部に突き立てた。

「ぁ"!!」

「中也ァー梶井君呼んでー『お約束の実験材料(モルモット)が出来たよー』って云えば伝わるから」

「へいへい」

中也は云われた通りに梶井に連絡を取った。


「あの、一体何を…?」


××が紬に問う。

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