第21章 終焉
「これは『僕等』の犬だ。君に傷付ける権利もなければ自由に扱う権利なんて在るわけがないだろう?」
「誰が手前等の犬か!」
「え。もう忘れちゃったの?嫌だなぁ。此れだから知能が低い犬は嫌いなんだよ」
「あ"ー!もう、黙れ!」
何時も通りの双人に部下2人だけが現実にもどってこれたようだ。
後の3人は、まだ顔が白い。
「却説、と。無駄なお話は此処までにしてだ」
「……手前のせいだけどな」
ポツリと云った中也は無視して、紬は先刻から黙り込んでいる大学講師の方を向いた。
「ずっと驚いていらっしゃるようだが貴方の利用していた義弟も我々に見つかってしまった。打つ手なし、ってところかな?」
「っ!」
図星を付かれて顔を強張らせる大学講師の○○。
「ね?利用していたことすら否定しないのだよ××君」
「……。」
「なっ……!違いますッ……!」
紬の言葉を聞いて、慌てて口を開いた。
が、時は凡て遅かった。
「何だよ……2人して……。蓮が『楽園』よりも強力な薬物があれば『実家よりも』金が稼げるかも知れないって云ったから……………必死に……協力してたってのに………俺に内緒で浮気……2人はデキて用済みってことかよ………」
「違うわ××!!騙されないで!此れは罠よ!」
「そうです!彼等は黒社会で悪名高いコンビ「黙れよ! 」……」
もう、黙れよ。
そう××が云うと拘束されている2人は口を閉ざした。
「どういうことだ?紬」
「ん?」
全容を知らない中也は紬に問う。
静まったことを気に、紬が1から説明を始めた。