第21章 終焉
次の瞬間、
「わっ!」
自分よりも頭1つ分程低い小柄な男なのに
ヒョイと簡単に担がれてしまった。
「手前の脚の骨は折っちまったからな。運んでやるから大人しくしてろ」
「あ……はい」
昨日の事なんてすっかり忘れてしまっていたのだ。
「俺だ。A棟観察室ーーー急げ」
通信機と思われるものに話し掛けること2分。
黒服の男が2人入室してきた。
床に倒れている女を見るなり、僅かに眉を潜める。
サングラスをしているせいで表情を窺い知ることは出来ないが、その2人を見た中也が小さく息を吐いた事にだけは××も気付いた。
「……運べ」
「「はっ」」
こうして全員でこの部屋を後にした。
向かった先は、地下だったーーー。