第21章 終焉
「蓮が今まで何をしてようが関係無ェ。俺はそれでも……手前と一緒になりてえンだよ。喩え紬に『私情を挟み過ぎだ』と罵られても」
「中也さん………」
「俺には権力がある。詳細が判れば蓮がしてきた事実を他の奴に擦り付けて助けることも出来る……紬が動いていない今ならな」
「……。」
蓮は考えるように目を閉じた。
中也は更に腕に力を込めて抱き締める。
「選んでくれ、蓮。目の当たりにしただろうから知ってるだろうが紬が本気出せば絶対に欺けねェ……手遅れになる前に…!」
「中也…さん…………私っ……」
震える声で口を開く。
「ゆっくりでいい。焦んな」
フッと笑って優しく頭を撫でる。
「ある男に脅されててっ……怖くて……1人では如何仕様もなくてっ……」
「そうか……気付いてやれなくて御免な」
子をあやすように柔らかい声音で云いながら背中を擦る。
山吹は自身を脅していた男と、その脅迫内容など泣きながら話したのだった。
凡てを聞き終えて中也は山吹を抱き締めた。
「もう心配要らねえよ」
「中也さっ……!」
「もう終わりだ、な?」
中也は優しい笑みを浮かべて山吹に深い口付けを行ったーーー。