第19章 策動
「おー終わったか。丁度、米も炊けたし飯にすンぞ」
ニヤニヤしながら答えた中也にワナワナと震える紬。
「彼女とメールのやり取りをするためだけに私を治に売ったね!?」
「あー?何の事だよ。手前が下手打ったのが悪ィんだろーが」
「だから下手なんて打ってない!」
「おい青鯖。コイツ全く反省してねーぞ」
「ぇ"!?」
「ホントだ。可笑しいなぁー」
「いやっ!?」
後ろから腕を引っ張られて太宰に抱き寄せられる紬はバタバタと抜け出そうとする。
「足りなかったかな?紬」
「そんなことっ……!」
顎を固定されて口を口で塞がれる。
「んんーっ!!」
必死に抵抗しているようだが行為は続く。
「そろそろ席に着けよー」
何時の間にか台所へ移動しておかずを運び始めた中也が最初の皿をテーブルに置くまで行為は続き、すっかり力が抜けてしまった紬を椅子に座らせて、太宰は満足そうに紬の頭を撫でた。
「反省した?」
「した」
「悪いのはだぁれ?」
「私」
「善い子」
目尻に浮かぶ涙を拭ってやりながら太宰は優しく微笑んだ。
「じゃあご飯にしようね」
中也が着席した事を確認して、
太宰の言葉で食事を始めたのだった。