第17章 芽生
「あ、悪魔なんて大袈裟な……」
「そうですよ。マフィアなんて全員悪魔のようなものじゃないですか」
そうだそうだと。
男の発言を否定する2人。その声が聴こえていないのか男は話を続けた。
「黒社会で絶対に遭ってはいけない………敵にまわすことが死と同意の『双黒』の…………『対黒』の一翼……………」
説明をしてくれているのだろう。
しかし、現実味の無い話に2人は顔を見合わせて肩をすぼめただけだった。
「あの女は…………悪魔なんだ…………」
その意味を理解することになるのは、その半日後のこととなるーーー。