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【文スト】対黒・陰

第17章 芽生


「………御言葉ですが……私の計画に間違いなどありません……完膚なきまでに粛清してご覧にいれましょう……」

いかに年下で女性と云えど紬は「目上」。
自身も権力を振りかざしている以上、それは弁えなければならないことは理解しているようだ。
落ち着かせる為か。
途中で息を整えながら必死で話す男に紬はクスクス笑い始めた。


「それはそれは。そこまで云うならこれ以上、口を挟むのは止めよう。ーーー精々、応援要請などせずに死ぬまで足掻き給え」

「っ!!!失礼しますっ!!!」


バッと一礼して素早く退室していった。


シン……と
嫌な空気が部屋に流れる。

「あーあ、疲れた。全く、揃いも揃ってこうも不出来なものばかり。中也は何時も面倒みてるのかい?」

「え……あ、多分……」

その空気を、紬が打ち壊してホッと息を着く2人。
片方が紬の相手をして、片方が素早く紅茶を淹れて出す。

「気が利くねえーホント、中也には勿体無いよ」

「勿体無い御言葉です」

「太宰さん……お訊きしてもよろしいでしょうか?」

「んー?何だい?」

出された紅茶を飲みながら返事をする。

「××さんの事ですが………」

「××?誰だい?それ」

「えっ!あ、今し方、怒りながら退室していった準幹部です」

「ふーん。××って云うの、彼」

ティーカップをソーサーに置いて××が置いていった書類を手に取る。

「ご存知無いんですか?」

「うん。多分、初対面だし興味もない」

「「……。」」

本当に興味関心が無いんだろうな、と。
先程のやり取りを見ながら思う2人。

「それで?彼が何?」

それでも自分達の話は聞いてくれるんだな、と意外に思いながら話を続けた。

「あ、いや…何で『やる気ある?』って云われたのかなー……なんて」

「ん?ああ、はい」

「「?」」

紬は企画書を2人に向かって差し出した。


2人で仲良くその紙を眺める。

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