第15章 首輪
「からくりが読めたんですよ太宰幹部。貴方達、そっくりだったらしいじゃないですか」
「そうだねえ。性別以外は」
山吹がカードを表示した。
出来ている役は「ワンペア」
「だから私の異能が通じないと云う噂は『入れ替わっていたから』と、そう云いたいのかな?」
「その通り。あれだけの資料に君の『異能』に関する情報が一切無いとなると君は『非異能力者』だ!」
自信満々にAは云いきった。
「ふふっ……あはははは……!」
「!?」
「何が可笑しい……」
しかし、紬は何時も通りだった。
眉間に皺を寄せて紬に問うA。山吹と周りの男は笑う紬に驚いている。
「いやー。君の推理力は大したものだよ。真逆、今は組織に居ない兄の事まで調べて私の事を見抜くのだから」
肯定と捉えることが出来る返事にAが気分をよくしたように笑った。
「しかし、だ。何度も云うけど君では私を使えないーーー」
紬は最後のカードを取り、切り捨ててからAに云った。
「何ィ!?」
「所詮、その程度ってことだよ」
パサッ
「「「「「「!?」」」」」」
「なっ……!?」
紬が開示したカードは凡てスペード。
「ロイヤルストレートフラッシュ………」
山吹が唖然としながら呟いた。
「如何様だ!」
Aがガタッと立ち上がって怒鳴った。
「でも勝ちは勝ちだねえ」
ニッコリと笑って云った紬にギリッと口を噛み締めるA。
そして、それを云った。
「奴隷にするのは止めだ!今すぐ望み通り殺してやるーーー!!!」
周りの男たちが紬に注目した。
・・・・。
「何………?莫迦なっ……!」
Aが動揺する。
そして、直ぐに後ろにいた男を見た。
「ぐっ………ぁ!」
「「「「!?」」」」
その男は、いつも通りに宝石に変わるーーー。
異能は発動しているーーー何故、何故だ!?
「どうやら殺せないようだねえ?」
「!?」
クスクス笑う紬をバッと見るA。
明らかに動揺するAを紬は気が済むまで笑い続けた。