第2章 双黒
「これで倉庫に誘い込まれたら先刻の二の舞だ!如何すんだよ!」
ヒラリと攻撃を避けながら紬がうーんと考える。
「私が想定していたよりも遥かに弾薬を隠し持っていたねぇ、連中。そのせいで爆発の規模が大きかった」
「何が云いたい」
「軍警に嗅ぎ付けられるのも時間の問題だね。然し、予想よりも人数が多かった」
やれやれ、と溜め息を着いて話せるほどの余裕が紬にはまだあるらしい。
「…………………で。作戦は」
矢張り、着々と倉庫の方へ誘い込まれている中、
中也は紬に問うた。
「1つしかないよ。中也に任せる」
紬がニコッと笑って云った。
「手間ェがそれを云うときは、何時だって本当に選択肢が無ェな!ったく!」
「私としてはあまり使いたくない手だからねぇ」
「………ふん」
中也が手袋を外しながら方向転換し、紬に投げつけるようにして預ける。
そして、静かに立った。
「反撃しないのか?ポートマフィアも大したこと無いな!」
笑いながら云い捨てられた言葉に紬は笑顔で返事した。
「その余裕、何時まで続くかな?」
答えは、5分と掛からなかった――――。