第14章 双子
「ちゃんと眠っていたかい?」
「はい……少し苦しそうでしたけど」
「まあ、それは仕方ないよ」
台所から小さい土鍋を運んできた紬が着いた机に敦も座る。
「君も未だ本調子ではないだろうからお粥だけど」
「………。」
良い匂いのするお粥を目の前にゴクッと唾を飲み、頂きますと食事を始めた。
「君に手伝って貰いたい事は君達に毒を盛った人間の確保だ」
「!」
食べながら紬の話しに耳を傾ける。
「私達、マフィアの仕事をさせる心算は元よりないよ」
「……。」
ニコッと笑って云う紬に調子が狂う敦。
話しの内容もそうだが、矢張り太宰に似ているのだ。
「……それなら手伝います」
「善い返事だ。取り敢えず食べてしまい給え。食事が済んだら直ぐに出るから」
「はい」
敦にそう告げると何処から取り出したのか。
書類のような紙の束を読み始める紬。
それをチラチラと見ながら敦は食事の手を進めた。