第13章 協力
一斉に男達は入ってきた扉へと向かって走っていった。
「お前、警察だろ!?」
「簡単に捕まるかよ!!」
そう云いながら扉に手を掛けて、開けようとした。
「っ!?開かねえ!!?」
「っ!嘘だろ!退け!!」
上下させることで開閉できる鍵が全く動かないのだ。
諦めて扉に体当たりをするもピクリとも動かない。
その姿を嘲笑うように見ていた紬が、男達に話しかけた。
「そんなに大きな音を立てて大丈夫なのかい?」
「「「!?」」」
男達は体当たりを止めて紬の方を向いた。
「安心し給え。私は警察なんかではないよ」
「っ!じゃあ何者だって云うんだよ!」
怯えた様子で吠えた男に、笑顔をむける。
そして、云った。
「私は君達と同類さ」
言葉の意味を理解できなかったのだろう。
男達の反応が無いため紬はポケットから小さな機械を取り出した。
ポケットに何か這入ってないかい?と訊かれてゴソゴソと慌てて探り出す3人。
その内の1人が、ポケットから小さな機械を取り出した。
「「っ!?」」
一瞬で青褪める3人。
「昼間、私の部下が『君達から薬を譲って貰った』って云っててねえー」
「まっ……真逆………マフィアのっ………!」
「正ー解ー」
パチパチと手を叩き、軽い感じで返事する紬。
「いやー。真逆、君達のような学生が高額の麻薬を別物に精製なんて恐れ入ったよ」
「……っ!」
「まあ、この薬の事は如何でも佳いんだ。君達に訊きたいことがあってねえ」
「………何だっ…ですか………」
威勢が消え、自分達の立場をわきまえている様子の男の言動に紬はニコッと笑ってみせた。
が、
「回りくどいことをせず、単刀直入に訊こう
ーーー『化学兵器』でも作っているんじゃないかい?」
その笑みは直ぐに冷えたモノへと変化した。
「「~~~~~~っ!」」
昼間にあったマフィアの男なんかの比ではないほどの殺気に男達が震え始めた。
ーーー1人を除いて。