第13章 協力
「ちょっ…!何だい?!」
「面倒な方ばかり俺に押し付けやがって…!」
「こればかりは仕方無いでしょ…って、一寸、待った」
ムッとしながら返事した紬の両手首を片手だけで抑え、もう一方の手でブラウスの釦を外し始める。
「…何だよ」
「此処で?何時もなら此処(職場)じゃヤりたくないって云うのに?」
「あ?今も此処じゃヤりたくねェよ」
「じゃあ止めればいいだろう!」
抑えられた手に力を込めて、抵抗の意思を見せる紬だが当然、ビクともしない。
そんな紬の姿を見て、中也はニヤリと笑った。
「朝から手前に対する苛つきが溜まってンだよ。それにーーー……」
「んっ…」
噛み付くように紬の口を塞ぎ、口内を貪る中也。
お互いの息が上がるまで、その行為は続いた。
「暫くヤれねぇだろ……だから、大人しく抱かれろ」
「……。」
紬は小さく息を吐くと、力を抜いたーーー。
ーーー
コンコンコン
紬の執務室に叩敲が響く。
入室を許可するが、這入ってこない。
「?這入って善いぞ」
その事を不思議に思ったのか。中也はもう一度、返事をした。
漸く男が1人、入室する。朝の伝令係だ。
這入って来るなり、バッと頭を下げた。
「太宰幹部の部「静かにしろ」」
部屋を間違えた、と。
謝罪する為に紡ぎだした言葉を中也に遮られる。
完全に立腹されているんだな、と。
男の顔が真っ青になる。
「間違っちゃいねぇよ。此処は紬の部屋だ。そのまま用件を云え」
「??………あの、調査員が此れを太宰幹部に渡すようにと」
そう云って、持っていた封筒を渡すべくソファに座っている中也に近付いていった。
そして漸く、「静かにしろ」の意味を理解したのだ。
「っ!?」
男が真に用があった人物は眠っていたのだ。
ーーー中也の膝に頭を置いて
更に云えば無防備な表情をしている。
「態々、伝令なんざに頼まず手前ェで報告に来りゃいいだろうが」
中也がぼやきながら、封筒を受け取るべく手を伸ばそうとした時だった。
「昨日、よっぽど怖かったんでしょ」
「!?」
寝ていたと思っていた紬が、突然、パチッと目を開けた。