〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第77章 桃色戯画-戯れに溺れる蜜ー❀織田信長❀
────そして、欲望は弾け飛ぶのだ
「ぁっ…美依っ、出るぞ……!」
『のぶっ様ぁ…も、だめぇぇっ……!』
「はぁっぁっ…美依っ……!」
先っぽを擦りつけて、竿を扱いて。
腰の動きは加速し、絵と向かい合いながら…
ビクッと躰を震わせ、解き放つ。
「ぁあっ…美依っっ…………!!」
びゅくっ!どぴゅっ!びしゃっ……!
吐き出した白濁とした欲望は、
思いっきり飛び散って絵を汚し。
その絵の中の娘も、白濁に塗れて汚れた。
「はぁっ…はぁっ…はぁっ……」
息を整えながら、絵に手をついて顔を見る。
その顔は、未だ快感に歪み、喘いでいて。
ああそうか…これは絵、なのだから。
改めてそんな事を思い、独り絶頂を迎えた自分が少し虚しく感じられた。
『ここにいる美依』が満足する筈ないと。
独り自慰に浸る娘を見ながら、乾いた笑いが漏れる。
「何をやっている、俺は……」
献上品を汚し、醜態を晒し。
自慰なんてものは、自己満足の快楽。
美依への恋しさが埋まるはずもなく。
ただ、募る想いが増幅するだけ。
そのくらい、解っているのに──……
(……情けない)
自分への惨めさが増した。
その時だった。
「信長様、ただいま戻りました」
(え……?)
突然、明後日の方から聞こえた聞き慣れた声に、俺は驚いて振り返った。
今の声は…美依?
姿は見えないが、確かに美依の声だった。
「信長様、いらっしゃらないのですか?」
「……っ」
「遅くなってすみません、今戻りましたよ」
襖の向こうから、美依の声がする。
俺は急いで手を拭き、長衣を直すと、春画に布を被せた。
そして、そのまま襖を開けて美依を出迎える。
美依は相変わらずのふにゃふにゃした笑みを浮かべ…
鈴を転がすような声で、俺に言った。