〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第76章 純華溺愛恋情論《後編》❀明智光秀❀
「美依っ…そろそろ、いいか……?!」
「はいっ…ぁあっ、くださいっ……!」
「……っ煽るな、出るぞ、もうっ……!」
鋭く律動する腰を
最後に一回、突き立てて
そして……俺を解き放つ
「ぁあっ、美依…………っっ!!」
びゅくっ!どぴゅぅぅっ……!
全身全霊、尽き果てるまで、
一滴も残さずに、全てを注いで。
白い熱情が、躰を突き抜け、美依へと流れて行った。
その後、脱力して覆い被されば、汗ばんだ肌同士がまた触れ合い、温もりを分け合う。
そのまま視線を絡めて、また口づけて。
幸せの刹那は、まだまだ終わりそうもない。
「もう少し……触れていていいか」
「はい……」
「今日は帰さない……美依」
「……はいっ……!」
そして、また甘い蜜時に溺れていく
お前に魅せられ、囚われてしまったなら
もう二度と、離せはしないから
外は、儚い雪
中は…華咲く紅
淡く色づく、肌も空気も
溶け合いながら、燃えていく
お前と染まりし、熱い夜は、
明けることなく繰り返されたのだった
白銀の天使が世界を染める中。
消えない炎のように────…………
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「光秀さーんっ!」
その声に振り返れば、相変わらずの平和そうな笑顔が降ってくる。
俺は小走りで駆けてきた美依を、胸で受け止め、頭の粉雪を払ってやりながら、くすっと笑ってみせた。
「雪が降っているのに、傘を差さずに来たのか?」
「光秀さんが、どうせ差してると思ったから。入ってもいいですか?」
「ああ、構わないぞ」
美依の方へ傘を差し出すと、美依は小さく笑ってみせた。
そのまま肩を並べ、一緒に歩き出す。
今日も安土の町は、雪景色だ。
師走に入ってから、しんしんと降り続く儚い雪。
そう言えば美依と想いを交わした日が初雪だったな。
そんな事を思って、笑みが零れた。
政宗に、してやられた事。
まぁ、今となっては、それも笑い話だが。