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〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀

第75章 純華溺愛恋情論《前編》❀明智光秀❀








「────お前の好きにすればいいだろう」








その日の政宗との会話は、そこで終わった。
俺は、その時点ではまだ、これは政宗の単なる挑発だと思っていた。

だが───………
ある出来事によって、俺は自分の想いを曝け出す羽目になる。

見守っているだけで良かったのに。
政宗の仕掛けた『罠』にまんまとハマった俺は……
自分の抗えない熱情と、真正面からぶつかる事になるのだ。














*****















(遅いな、政宗…何をやっている)



政宗の『俺が美依を奪う』宣言から数日後。
俺は政宗に呼び出され、市の外れで若干腹を立てながら待っていた。

あれから、政宗に特別不穏な動きはない。
美依も普通通りだし……
やはりあれは、俺を煽っていただけかと。
そんな風に思っていた。

そして、今日。
政宗に『連れて行きたい所がある』と言われ、ここで待ち合わせることになったのだが……

約束の刻になっても、政宗は姿を現さない。
わざわざ公務も早く切り上げてやったと言うのに。
よく軍議には遅刻してくる奴だが、もう半刻は待っている。

どう考えたって、待たせすぎだろう。




「……帰るか、面倒くさい」




俺は一つ深くため息をつくと、寄りかかっていた壁から背を起こした。

これ以上は待てない。
そもそも、約束なんて破るためにある。
いつも俺がそうしてきたのだからな。

律儀に待っていたのが、馬鹿だった。
そう思い、帰る方角に身体を向けた。

────その時










「政宗、もう外れだよー?」

「いいんだよ、こっちで。いいから付いてこい」










(え…………?)










目に入ってきた光景に、思わず視線を奪われる。

政宗と美依。
仲良さそうに手を繋ぎ……
笑い合いながら歩いていた。

心無しか、美依は少し頬を染めているような気がする。

俺からは、だいぶ距離が離れているせいか……
二人は、俺に気づかぬまま通り過ぎていく。

その後ろ姿を見ながら、ふつふつと疑問が沸いた。
何故、政宗が美依と一緒に居る?
いや……違う。



美依は、何故政宗とあんなに仲睦まじげなんだ?









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