〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第72章 君しか見えない-繋-❀伊達政宗❀
「何もしてないわよ」
「嘘つくんじゃねぇ。秀吉が見てるんだからな」
「え、いつの話?」
「今日だ。鉢合わせしたんだろ、美依と」
少し問い詰めると、沙羅はふうっとため息をつき。
俺の目を真っ直ぐ見ながら、案外あっさり尻尾をだした。
「私は、何も知らないようだったから、自分の身の丈を教えてあげただけよ」
「魅力がないだの、平凡だのって罵ってか」
「だってそうじゃない!まさのいい所も知らないで、何が恋仲よ、ふざけないでよ!」
「へぇ…俺のいい所ってなんだよ、言ってみろよ」
俺が失笑するように言うと。
沙羅は先程のように頬を染め、若干恥じらったように、俺の質問に答えた。
「貴方は…閨での姿が素敵でしょ。情熱的に愛してくれて…まさのいい所じゃない」
「……で?」
「あの子、生娘なんでしょ?そんなまさの姿も知らないで、好きとか意味解んないわよ。私達は身体の相性、最高だったじゃない」
「……」
「貴方は興味本位で傍に置いてるだけ、生娘が珍しいから…違う?」
(……うんざりだ、その台詞)
「……結局、お前はそれなんだな」
吐き捨てるように、俺は呟く。
何も変わっちゃいない、お前は。
別れた時と、何も──……
何故、俺がお前を見放したか。
お前は全然理解しないんだな、沙羅。
────ドンッッ!!
俺は沙羅の顔の横に両手こぶしを付くと。
嘲笑しながら、沙羅に思いの全てをぶちまける。
「確かに身体の相性は認めてやるよ、お前はそれだけは最高だった」
「でしょ、なら……!」
「馬鹿か?女の身体の造りなんてな、さほど変わらねぇんだよ。この日ノ本中探せば、相性抜群の女なんていくらでもいる」
「は……?」
「だがな、心の相性は違うんだ。これだけは、しっくりハマるやつは、この世に一人しかいない。俺にとって…美依がそうであるように」
「……っ!」
────美依に出会った時
単に最初は、面白い女だと思った
好きな時に触れて、口付けて
それで満足だったのに……
あいつは、それだけじゃ終わらなかった。
他の誰とも違う……
不思議な魅力を持っていた。