〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第71章 君しか見えない-純-❀伊達政宗❀
「────まだ、未通女(おぼこ)とか?」
(……っっ!)
感情を隠すのが下手な私は……
きっと、それを肯定するような顔をしていたのだろう。
しかし、彼女にとって、それはつけいる隙。
私を責めるための…都合のいい理由を与えてしまったのだ。
「なぁんだ、まさがあなたを選んだ理由が解ったわ」
彼女がせせら笑う。
私を馬鹿にするように、まるで可哀想なものでも見るように。
「あなたが物珍しいからよ、美依さん」
「え……?」
「私とそんなに年も変わらなく見えるのに、生娘なんて…単なる興味本位で傍に置いてるのよ、まさは」
「……っ」
「だって、おかしいじゃない」
彼女の狡猾な笑みは、獲物を狙うかのようで。
それは勝ち誇ったような、優位に立っていると意味しているように……
────私を、ドン底に突き落としたのだ
「あなたみたいに魅力のない人が、まさが本気になるはずがないでしょう?」
『美依、お前の事…すごい好きだ』
その時、大好きな自信に溢れた笑みが、脳裏に浮かんで……
そして、それは儚い桜のように、散っていった。
────ねぇ、政宗
何故、私を選んだの?
何故、私なの?
私の、どこがすきなの?
告白された時、とても嬉しかった
政宗みたいに素敵な人が、私を好きになるなんて
まるで、夢見心地だった
本当に…嘘みたいな出来事なのに
それは、本当にただの夢だったのかな
『美依』
愛おしそうに、私を呼ぶ声も
絡むような、熱っぽい眼差しも
あの日触れてきた、熱い手も……
全て、嘘だったのかな
私が見た、夢、幻だったのかな
私みたいな普通の子が
そんな愛され方するはずないって
解らない
解らないよ、政宗
私はただの興味の対象?
物珍しいから、傍に置いてるの?
私は、
私は、ただ──……
『お前を、死ぬほど幸せにしてやる』
あの言葉を信じ
強く惹かれて、心を奪われた
ただ、
貴方がすきなだけなのに──……