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〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀

第71章 君しか見えない-純-❀伊達政宗❀





(秀吉さんなら、私の話を聞いてくれるかなぁ……)




ふと、そんな事を思い、改めて秀吉さんを見上げる。
秀吉さんは優しいし、兄みたいだし、男の人だし。

もしかしたら、いいアドバイスくれるかも……

私は密かに決意を固めると。
思い切って、秀吉さんに話を切り出した。




「ねぇ、秀吉さん。秀吉さんは恋仲の女の人、いた事あるよね?」

「どうした、突然」

「うん、あのね……」




歩きながら、秀吉さんに全てを打ち明ける。
この前の夜のこと。
私が経験ないから、怖くて拒んでしまったこと。
政宗を傷つけてしまったこと……

恥ずかしかったけど、素直に話した。

すると、秀吉さんは目を点にしていたけれど……
やがて、小さく息を付き、軽く首を傾げた。




「なるほどな…お前が気落ちしてた理由ってそれか」

「うん……」

「なら、ちょっと茶屋にでも入るか。そこでもう一回話聞いてやるから。立ち話もなんだろ」




秀吉さんにそう言われ、最近新しく出来たと噂の茶屋に入ることになった。

秀吉さん、本当に優しいなぁ……
こんな話されても、迷惑だろうに。
そんな風に思いながら、私は秀吉さんの背中を追ったのだけど。

この『茶屋に行く』と言う選択で、私は思わぬ人と出会うことになった。

出来れば、一生会いたくなかった相手。
だって、悩みに悩んで、落ち込んでいた私に拍車をかけることになったのだから。
















「へぇ…場所の割には結構繁盛してるな」



その新しく出来た茶屋は、市の少し離れた所にあった。

暖簾(のれん)の掛かる、こじんまりとした店構え。
その外にもいくつか席が並び、そこはほぼ満席状態。
人で埋まって、皆賑やかに甘味を食べたり、お茶を飲んだりしていた。

最近出来たばかりだし、みんな新しいもの見たさに来ているのかもな。

秀吉さんが少し残念そうに、そう言った。




「場所変えるか、うるさいと話も出来ないしな」

「なんか、ごめんね」

「謝るな。可愛い妹の相談に乗るのは、兄として当然だろ?」




優しく微笑まれ、心がほっこりする。
秀吉さんに相談してみて良かったなぁ……

そんな事を思いながら、私達は茶屋に背を向けた。
と、その時だった。





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