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〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀

第70章 天色、椛、幸福の螺旋❀織田信長❀





────ありったけの赤裸々な想いを



貴様に伝わるようにと願いながら、
俺は『それ』をする事を選んだ。




「美依、俺の懐に木箱が入っている」

「木箱?」

「ああ、取り出してみるがよい」

「は、はい……」




すると、美依は小さな手を、俺の着物の袷からするりと中に差し入れた。

しばらく何かを探るように動いていたが……
やがて目当ての物が見つかったか、小さな木箱を手に持って、手を引き抜いた。




「これは……?」

「開けてみろ、貴様への贈り物だ」

「えっ…私に……?」




美依の黒真珠のような瞳が、さらに驚いたように見開かれ、俺と木箱を交互に見ている。

それを促すように、こくっと一回頷いてやると。
美依は緊張したような表情をして、ゆっくりとその木箱を開いた。



(さて、どのような反応をするか……)



それを愉しむかのように、美依の反応を待つ。
びっくりするか、喜ぶか……
色々期待していたが、美依は予想外に、ぽかんと呆けた表情で箱の中を凝視しているだけで。

瞬きすらしないので、俺は怪訝な表情になって美依の瞳を覗き込んだ。




「無反応か、美依」

「だ、だって、信長様これっ……!」

「貴様への贈り物だ」

「蒼い、ダイヤモンドじゃないですか……!」

「だいや……?」

「あ、えぇとこちらではなんて言うのかな…でも、すっごく高価な宝石ですよね?!」




美依が頬を赤く染め、信じられないといった様子で俺を見る。

どうやら、びっくりはしてくれたらしい。
それでも……びっくりだけでは全然足りない。

もっと喜んでもらわねば。
そう、俺がこれを贈り物として選んだ理由を。


────美依にだけ、特別な魔法を囁く




「美依、それは蒼の金剛石だ」

「金剛石……」

「ああ、ある商人から買い取った。とても希少価値の高いものだと聞いている。しかし…俺がこれを選んだのは、ただ高価だからという理由ではない」




俺は、そっと美依の頬に手を当て……
それを選んだ『本当の理由』を説明してやる。






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