〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第7章 聖なる夜に煽れる溺愛を ❀石田三成❀
「なんでしょうね、私はこのような場所は相応しくないかもしれません」
「え?」
思わず、心の本音をぽろっと漏らすと。
美依は不思議そうな表情をして見上げてきた。
たとえ、聖なる夜であっても──……
美依を愛したくなる。
身を清める、心を清めるなど。
出来そうにないな、と思うからだ。
「今夜は聖夜だから…皆さん聖書を読んだり、祈りを捧げたり…厳かに過ごすのでしょうね、本来ならば」
「うーん、そうなのかな」
「こうやって聖なる場所に訪れる方々は皆さんそうでしょう。しかし……私はそれが出来ないようです」
「……そうなの?」
「はい」
身体を美依の方に向け、真正面で向き合う。
そして頬に手を当て、黒曜石のような瞳を見つめながら……
『男の黒い感情』を美依に打ち明ける。
「こんな場所でも、私は貴女が可愛く笑うだけで……身体が勝手に疼くんですよ」
「……っっ」
すると、美依はびっくりしたように目を見開き。
困ったように、ぱっと顔を逸らした。
「な、何言ってるの、三成君……」
「すみません、でも本音ですから」
「だ、だからって、疼くとか言わないで」
「……何故?」
「恥ずかしいし、変な気分になるでしょ」
「変な気分とは?」
問うと、美依は唇を噛んで押し黙ってしまった。
その表情は拗ねているような、あどけなさと。
何故か女性らしい艶っぽさが入り交じり……
また身体が、じわり……と疼いて熱を持つ。
何故だろう、こんな神聖な場所なのに。
美依を穢したい気分になってくる。
それは背徳的な感情。
神などはあまり信じていなくても、そんな感情がだんだん渦巻いてくる。
「……変な気分とは、このような気分ですか?」
「んっ……!」
美依の顎を捕らえ、こちらを向かせると。
そのままやんわり唇を奪った。
閉じる美依の唇を舌で割り、そのまま差し入れて絡める。
ちゅ…ちゅ…と唇が重なる水音が、静かな教会内に響き渡り……
だんだんと気分が昂揚していき、さらに美依の口内を甘く貪っていく。