〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第69章 〖誕生記念〗満ちる月、君を想へば❀伊達政宗❀
(お前の全てが愛しい──……美依)
こうして、愛する者とめぐり逢えた。
それはきっと必然だったのだと、俺は思う。
運命とか、そんなのはあまり信じていないけれど。
美依、お前にならそれを信じてもいいな。
俺達は、結ばれる星の元に生まれてきたんだと。
────そんな甘い感情は、こそばゆくも心地よい
だから、とびきり甘美な夢を見させてやる。
俺の手で、お前をもっと気持ち良くさせて。
俺から離れられないように、見えない糸で縛る。
そんな独占欲も、お前にしか感じないから。
ずっと俺に囚われてくれ、いいだろ?
俺は美依を感じながら、そんな事を思って……
呆れる程に幸せだなと。
溢れ出す愛しさで、満ちていく気がした。
────…………
「政宗、誕生日おめでとう!!」
────その夜の宴は、それは賑やかで盛大だった
広間は綺麗に飾り付けられていたし。
料理は豪華で、とても美味かったし。
その一つ一つに心がこもっているのだろうなと言うのが、ひしひしと伝わってきた。
こんな風に祝ってもらえて、少し照れくさく感じる半面、とても居心地のいいもので……
こうして、この世に生まれてきて良かったと。
馬鹿みたいに、そんな風に思った。
「美依、それ一口寄越せ」
「え…お酒だけど、大丈夫?」
「だから一口でいいんだよ、ほら…酌をしろ」
「んっ……」
有無も言わさず、美依の顎を掬い、空いた手で杯を持って美依の口に酒を流し込む。
びっくりしている美依を尻目に、そのまま唇を強引に塞いだ。
舌で唇をくすぐって、僅かな隙間からねじ込んだら、一気に口内に酒が回って……
甘くほろ苦い酒の味に、美依の紅の味が混ざって、くらくらしてくる。
「おい政宗、美依っ…こんな所で……!」
「放っておけ、秀吉。今宵は特別だ」
焦った秀吉の声と、呆れたような信長様の声が聞こえたが、そんなのは関係ない。
俺は欲しいと思った時に、もらう主義だからな。
それに、今日くらいは酔っ払ったっていいだろ?
だんだん気持ちまで大きくなって……
酒のせいで、色んな部分が麻痺し始めたらしい。