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〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀

第69章 〖誕生記念〗満ちる月、君を想へば❀伊達政宗❀





────でも、それは俺のためなのだと



それを思うだけで心が温かくなり、なんだかむず痒くなってくる。

俺のために、必死で準備をする美依。
俺を喜ばそうと、一生懸命考えたのだろう。
ニコニコしながら張り切る美依を見て……

愛しさがこみ上げ、どうしようもなくなった。

その姿を見るだけで満たされ、俺にとっては最高の贈り物なのだけど。

美依と過ごす、これからの時間が楽しみになるな。
頑張った褒美に、思いっきり甘やかして愛してやりたい。




(今日、あいつが御殿に帰ってきたら、めいっぱい構ってやるとするか)




そんな甘い感情を残して、俺は襖の隙間を閉めた。

美依と過ごす、蜜な一時を思って。
誕生日終わってからなんて、待っていられない。

いつだって、どこだって……
美依を愛しいと想う気持ちは変わらないから。

そんな風に、俺は思っていたのだけど……
少ーしだけ、違う感情にも駆られることになる。

美依を愛しいと思うが故の、ちょっとした独占欲。

それが起きたのは、次の日の朝。
俺の誕生日当日にはっきり自覚することになる。














────…………















「……納得いかねぇ」




次の日の朝、誕生日当日。
俺は御殿で一人朝餉を口に運びながら、小さく唸って声を漏らした。

別に朝餉に不満がある訳では無い。
こうして美味いと思って食える、それは最高の幸せだ。

では、何が気に食わないかと言うと……




「おい」

「はい、なんでしょう、政宗様」

「美依はさっさと城に出掛けて行ったんだったな?」

「はい、それはニコニコして出掛けていきましたよ」

「光秀が迎えに来たんだってな」

「ええ、あの二人は本当のご兄妹のように仲が宜しいのですね」




なんの悪びれもなくその様子を話す女中に、俺は文句を言うことも出来ずに、小さくため息をつくしかない。

今朝目を覚ましたら、美依はすでに居なかった。
昨夜だって、美依は夜遅く帰ってきて、褥で愛でてやれる雰囲気ではなかったし…

しかも、よくよく話を聞いてみれば、秀吉や光秀、家康らと随分親密な雰囲気で準備を進めていると言うではないか。









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