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〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀

第69章 〖誕生記念〗満ちる月、君を想へば❀伊達政宗❀





(明日は……俺の誕生日なんだよな)




「はい、今日のお茶は私が淹れますからね!」

「三成、仕事が増えるからお前は何もするな」

「お気遣いありがとうございます、家康様」

「……そんなんじゃないから、察しろよ」

「やらせておけ、家康。三成は秀吉の代理を努めると張り切っているからな」




三人の会話を意識の片隅で聞きつつ、思考は美依の方に飛んでいって、思わず口元が緩んだ。

きっと、広間では美依が誕生日の祝いの準備をしているのだろうと、確信があって。

秀吉と光秀を使って、何をやっているんだか…
それを思うだけで、やたらと心は浮ついた。

終わったら、広間の様子を見に行ってみるかな。

そんな事を思って、その日の軍議もあまり頭に入ってこなかったのは言うまでもない。















────…………
















「ぷっ……やってんな、美依」



程なくして軍議は解散され、帰りがけに広間をこっそりと見に行った俺は、その様子に思わず苦笑が漏れた。

締め切っている広間の中で、美依が忙しなく、あっちこっちに動いている。

広間を飾り付けをしているのか。
なんだか、中がやたら煌びやかになっているし……

しかもその飾りは手作りなのか、美依が何やら縫ったりして直す様子が見受けられた。




「秀吉さん、そっちのお花出来た?」

「おお、結構出来たぞ。上手いもんだろ…っておい、光秀!作ったそばから分解するな!」

「説明だけでは、いまいち要領を得ない。秀吉、花を作る手順を作りながら説明しろ」

「うー、家康に頼んだ方が良かったかな……」

「ああもう、光秀は作らなくていいから、出来上がってるやつを美依と飾り付けしろ!早くしないと、明日の宴に間に合わなくなる」

「政宗にバレないうちに、やらなきゃ!今日軍議でお城に来てるはずだし!」




秀吉と光秀も、どうやら美依にコキ使われているらしい。

座り込んで、何かを作っているようだ。
それに悪戦苦闘しているのは光秀か、秀吉と喧嘩腰になって、まぁ……

兄貴分を二人とも従え、美依もよくやるなと。
その様子を少しだけ開けた襖の隙間から見ながら、笑いがこみ上げて止まらなくなる。






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