〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第68章 蜜な想いはくちびるから《後編》❀徳川家康❀
「美依っ…も、出るよ……?!」
「んぁあっ…家、康…いえ、やすぅ……!」
「はぁっ…止まらない、出るっ……!!」
弾け飛んだ、その先は、
あんたと見る極彩色の世界だから。
俺とあんたしか居ない、満たされた世界。
「ぁっ…美依っ………………っっ!!」
びゅくっ!どぴゅぅっびゅるるっ……!
解き放たれた白濁とした欲望は。
禍々しく、それでも純で。
美依の中を満たしていった。
二人でそのまま重なって脱力すれば……
荒い息遣いが耳に届き、それが部屋を支配しても、満ち足りた充実感は半端ない。
「はぁっ…はぁっ…美依……」
「いえ、やすぅ……」
「口づけ……しよ」
「んっ……」
口づけは、愛情の証。
相手を想い、それを伝える幸せの行為。
美依、あんたが誰よりも好きだよ。
その想いを、たっぷり込めて、
俺は美依の唇に熱を落とした。
部屋はもう真っ暗で、明かり一つなかったけれど。
燃ゆる熱情が、赤々と映し出されているような……
そんな事を思わせる、
満ち足りた夏の終わりの夕刻だった。
────…………
「やっぱり家康が本を持って行ってたんだね!」
────それから数日後
一緒に茶を飲もうと、美依に部屋に呼ばれていた俺は、彼女を目の前にしながら眉をひそめ。
少し居心地の悪そうに『ごめん』と後ろ頭を搔いた。
結果は上手くまとまったとは言え、美依の部屋から勝手に本を持ち出したのは、やはり謝るべき事であって。
まぁ、そのおかげで受け身の自分からは抜け出せたけど……
美依にしてみれば、俺がなんであんな事を知っていたのか、不思議で仕方なかったとは思う。
「本が無くなってたから、おかしいなと思ってたんだ」
「なんとなく興味が惹かれて……つい」
「もう…あれはこの時代の本じゃないから、盗まれたとかだったらどうしようって、本当に焦ってたんだよ」
そんな風に、困ったようにくすくす笑う。
まぁ、それに関しては、謝るしかないんだけどね。