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〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀

第7章 聖なる夜に煽れる溺愛を ❀石田三成❀




『洗礼式』


それは、きりすと教において『三位一体の神と共に歩みます』と信仰の表明をするための儀式だと。
何かの文献で読んだことがある。

勿論、目の当たりにするのは初めてだが……
そんな神聖な儀式の場に、無関係の者が立ち入って良いのだろうか?




「見学しても大丈夫なんですか?」

「はい、構いませんよ。この後、賛美や説教の時間もありますので……宜しかったら、ゆっくりしていって下さいね」




そう言って、修道女は洗礼の儀式に戻って行った。

二人でまた顔を見合わせ、そして一番離れた後ろの席に並んで座る。




「良かったね、見てて大丈夫だって」

「はい、邪魔にならないように静かに見ていましょう」




二人で身を寄せ合い、その神聖な儀式を……
どことなく神聖な気持ちで、見守る事にした。




















「私は父と子と聖霊の御名によって、貴女に洗礼を授けます」






そう言って、司教が水差しの水を三回に分けて、少女の頭に掛ける。

その後、濡れた顔を拭いたら、聖香油の塗油。
額に香油で十字の印をする。


そして『白衣(びゃくえ)の授与』だ。


「白い衣を受けなさい」と司教が少女の頭に白い、薄い布を被せる。

美依が言うには、あの布は『べーる』と言うそうだ。

そんな厳粛かつ神聖な空気を保った、一連の流れ。
それを見ながら、美依が小さな声で、少しため息混じりに言う。




「なんだか、とっても素敵だね……」

「はい、何故か身が清められる気がします」

「クリスマス……降誕祭に洗礼式なんて、なんだか神聖で素敵なものを見た気分。滅多に見られないよね、こーゆーの」

「……そうですね」




蝋燭が、ゆらゆらと揺らめく南蛮寺。

幻想的で、少し時間が隔離されたような、止まったような。
そんな不思議な感覚を受ける空気の中……

厳粛に、清らかに進められる洗礼式。


先程の修道女が説明に来てくれたのだが……

あの少女は、洗礼を受け、そして。
後に修道女として神に仕えるのだと。

それは、神を心の拠り所にし、そして。

『清貧・貞潔・服従』
この三つの修道誓願を立てた女性。

それは一体どんな人生になるのか、想像もつかない。




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