〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第66章 牡丹と微熱に魅せられて〖誕生記念〗❀真田幸村❀
「……すげー好き」
二度目の告白は、一度目より上手くいった。
それでも、目を丸くする美依が本当に愛しい。
何度でも言ってやるよ、お前になら。
普段は素直になれなくても……
大事なお前には、ちゃんと真正面から気持ち伝えたい。
────いつしか眩い花火は終わっていた
しかし、闇夜が俺達を包んだわけではなく
満天に輝く星と、蜂蜜色した月が
俺達の姿を淡く映し出していた
そんな中、乱れた浴衣で二人、抱き合って
契り合えた悦びに浸って
二人だけの永遠を誓った気がした
────…………
「重くない?大丈夫?」
「全然重くない、ちゃんと中身入ってんのかよ」
「なっ……幸村、やらしい!」
「そーゆー発想するお前のがやらしー」
交わりの後、俺達はお互い乱れた浴衣を整え。
俺は美依を背中に乗せて、安土城へと向かっていた。
腰砕けになった女を歩かせられないし……
正直言うと、もっと美依とくっついていたかったから。
美依は俺におぶわれる事を最初は嫌がっていたが、今は素直に、しかも嬉しそうに背中にくっついている。
嬉しいなら、端から嫌がらず、背中に乗れば良かったのに。
今はもう祭りも終わって、遅くなりすぎたせいで、帰途につく人もまばらにしかいない。
だから、恥ずかしがらずにおぶわれているのだろう。
本当に素直で解りやすい、可愛い奴め。
(あ……)
首に腕を巻き付かせている、美依の手元の一点に視線が行く。
そこには、俺がはめてやった……
硝子の珠がついた木製の指輪。
おもちゃの、子供の遊び物である、それ。
本来なら、もっとちゃんとしたのを贈ってやらなきゃいけないのに。
俺は小さくため息をついて、それに関しては謝ることにした。
「悪かったな、美依」
「え?」
「指輪、おもちゃで。今度ちゃんとしたの買ってやるから待ってろ」
「ううん、いいの、これで」
(え……?)
すると美依は、耳元でふふっと笑い。
さらに首元にぎゅっと抱きつきながら、可愛い言葉を紡いだ。