〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第66章 牡丹と微熱に魅せられて〖誕生記念〗❀真田幸村❀
(……っっ、こいつはほんっとーに……)
美依の言葉が可愛すぎて、顔が熱くなるのが解る。
俺の胸に顔を埋めている美依。
一体今、どんな顔をしているのだろう。
俺はそれを確かめたくて、少し身体を離すと、美依の頬に手を当て上に向かせた。
「……っ」
美依が小さく息を飲む。
その顔は頬を火照らせ、瞳を潤ませ……
何故かやたら色っぽく、煽情的に見えた。
それに、なんか甘い匂いもするようで、くらくらする。
俺は、まるで美依に吸い寄せられるように…
顔を近づけ、そのまま美依の唇を塞いだ。
「んっ……!」
ヒュー…ドンッ、パラパラパラ……
頭上で、鮮やかに火の花が咲き乱れる音ががする。
その光は、俺達を鮮明に映し出し……
夏の夜の、儚い幸せを描いているようだった。
啄むような口づけから、だんだん深く。
重なり合う唇から、熱が移って絡み合う。
初めて触れた美依の唇は、温かく柔らかく。
ほのかにする紅の味が、余計に俺を駆り立て……
心が煽られ、もっともっととえげつない欲が生まれ出す。
「んっ…ぁっ……」
「んっ、美依……」
「はぁっ…んぅ……っ」
美依の唇から漏れ出る、甘く艶かしい吐息。
それすらも奪うように、舌を差し入れ、全てを絡め取ってやった。
次第に美依の身体からは力が抜け、俺の胸元にしがみついてきて。
やがて、ちゅっ…と甘い水音を残して唇が離れると、唇の間につーっと銀糸が伝ったのが解った。
「……なんだよ、その顔」
「え……?」
「いやらしい顔してる、物足りねーみたいな」
「……っ」
口づけだけで蕩けた美依の顔は、今までに見た事がないくらい色っぽくて、馬鹿みたいに可愛い。
そんな顔、誰にも見せたくない。
そして…もっと蕩けて、崩れた表情も見たい。
────感じたい、美依のもっと奥深くまで
「なぁ、誕生日の贈り物くれよ」
「それなら……」
「俺、すげー欲しいもんがある」
「なに…?」
俺は食い気味に言うと、美依の顎をすっと掬い……
先程まで触れていた唇に、そっと親指を這わせながら言った。