〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第66章 牡丹と微熱に魅せられて〖誕生記念〗❀真田幸村❀
「……こーゆーもんなんだろ?指輪ってやつは」
「幸村……」
「それをはめてやった意味、解るかよ」
「さ、さぁ……」
「なら、よーく耳、かっぽじって聞いとけ」
俺は、指輪をはめてやった手を取り……
その指輪の部分に、ちゅっと唇で触れた。
おもちゃなのが、情けないけれど。
それでも──……
今はこれがぴったりだと、そう思った。
だから、想いよ……届け。
「────お前の事、すげー好き」
その刹那。
ドンッ……と大きな音がして、上が明るくなった。
視線を空に向けてみれば、空に向かって光の筋が走り、次の瞬間には大輪の光の華が濃紺の空に咲いた。
ドンッ…パラパラ……
ヒュー…ドンッ、パラパラパラ……
次々に夜空に咲く、見事な花火達。
その光は、美依の顔を照らし出し……
おかげで、赤く染まった美依の可愛い顔も、ハッキリ見ることが出来る。
「ゆ、幸村……」
「おー、花火綺麗だな。お前も見ろよ」
「わ、私の事、すごい好きって……」
「別に言葉の通りだけど。すげーな、花火」
「……っ、ちゃんと私も見て……!」
「ちゃんと見てる」
俺はそのまま手を引き、美依の身体を掻き抱いた。
想像していたよりも、さらに小さく華奢な身体。
それでも……何よりも温かい気がする。
────それは、俺がずっと求めていた温もり
もっとこの手に欲しい。
美依の想いも、何もかも。
「俺はお前しか見えてねー。今も、これからも」
「幸村……」
「さっきは悪かったな。お前が御免だなんて…嘘だ。俺にはお前しかいねー」
「ゆ、ゆきっ……」
「……お前はどうなんだよ」
やんわり背中を撫でながら、返事を乞う。
すると、美依はおずおずと俺の身体に手を回してきた。
そして耳元で、最高に甘くて可愛らしい台詞を吐いた。
「私も、幸村が好きっ…ずっとずっと好きだった。なかなか素直になれなくて…ごめんなさい。今、すごく嬉しくて…どうにかなりそうだよ」