〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第65章 お兄ちゃんじゃいられない!❀光秀END❀
「美依っ…ぁあっ、もう、出るぞ……!」
「中っ、ください…貴方が、欲しい……!」
「ああ、くれてやる…だから、受け止めろ……!」
そして、弾け飛ぶ。
お互い一緒に、真っ白になって。
越えた一線、夏の夜の夢。
その契り合えた、悦びの証として。
お前の中に、白濁とした希望を放つ。
「ぁあっ…美依っ…………!!」
びゅくっ!ドピュドピュッ……!
全てを吐き出した俺に、美依は息を荒らげながらも、満足そうに微笑み……
最高に可愛らしい『女』の顔を見せてくれた。
そんな笑顔を見せられては、男の欲望なんて収まるはずもなく、その後も見境なく求めてしまったのは、言うまでもない。
それでも、幸せならいいか。
そんな風に言い訳をつけて、その夜は過ぎていった。
馬鹿みたいに美依の毒気に当てられた俺は……
その日、久しぶりに心から笑ったような。
そんな気がして、我ながら呆れ返ってしまったのだった。
────…………
「光秀!」
それから数日後の、暑い日の夕刻。
城から美依を連れ出そうとしていた俺は、運悪くも秀吉に呼び止められた。
これから美依と逢瀬をして、その後は御殿に連れ帰って、思いっきり褥で甘やかして…
そんな風に色々理想を思い描いていた矢先に呼び止められたので、はっきり言って不機嫌極まりない。
俺は仏頂面で秀吉の方に振り向くと、腕を組み、さっさと話を切り上げようと、何とか思考を巡らせた。
「何か用か?急いでいるんだがな」
「どうせ美依の所へ行くんだろ?なら、俺も行く」
「何故、お前まで行くんだ」
「この前の宴の礼にな、同じ酒を買ってきたんだ。あの時美依は酔い潰れて大して覚えてないだろうし、また三人で楽しく飲むぞ」
そう言う秀吉の手にあるのは、瓶底に生の果物が沈んだ、見覚えのある酒。
どうやら秀吉は、純粋に酒を酌み交わしたいと…
下心など微塵もないのだろうなと言うのが伝わってきた。
しかし。
あの可愛く酔う美依の姿は、金輪際誰にも見せたくないと言うのが本音で。
ましてや、元恋敵。
信用はしていても、何かあってからでは遅いのだ。